「我が輩は猫である」の形は定義文です。英語では「I am a cat」、一般的には「A is B」、数式で書くときは「A=B」と当てます。この文字並びは、日本語、英語ともに、Aを具体的に説明する材料がBです。代数式、例えば「y=a+b」は、英語の言い方「y is equal to "a" plus "b"」を記号化したものです。数学では、書き順を変えた、「a+b=y」も許されていて、イコール記号「=」の左右が等しいと言う意義から等式と言います。コンピュータ言語に応用するときは、「y=a+b」の表現だけが許されていて、代入文(assignment expression)と言います。式(equation)とは、ここでは「a+b」の部分を指します。コンピュータ内部の計算手順は、先に「a+b」の計算を済ませた上で、その結果を「y」に代入する二つの処理です。代入の動作は、語順とは逆に右から左向きです。このことは、英語の環境でも特殊な処理とされています。日本語の語順は、「a+bはyである」の言い方が自然です。電卓もこの語順で計算します。なお、面倒な約束ですが、コンピュータ言語の条件文は、等式の全体を論理式とし、その計算結果を判定に使います。演算は、記号「=」の左右が等しい時に限って「真(true)」を返します。一般的な代数式は、掛算と割算記号を挟んだ変数の計算を先に済ませ、加減算を最後に実行します。これを演算子に優先順位の約束があると言い、文字並びと演算順序とは整合しません。 |