英語は、述部の始まりを主語の直後に置き、動詞または助動詞を繋ぐ語順ですので、主部と述部の切れ目は判ります。日本語では用言(動詞または形容詞)が文末にきます。この構造のため、述部と主部との繋がりが遊離する、つまり論理的でない作文になり易いのです。他動詞は目的語を従えます。それは名詞または名詞句です。機能的には直接目的語「(…を)で受ける」と、必要に応じて間接目的語「(…に)で受ける」との二つを使います。二つの目的語を使う動詞のことを授受動詞と言い、やりもらい動詞とも言います。英語では、give, moveが代表的です。コンピュータ言語では、データの移動を行わせる命令語の大部分は、機能的にやりもらいをさせます。日本語は、格助詞の「…に」「…を」を使いますので移動元と移動先を間違えることはありません。語順も自由です。英語では語順の約束があり、そうでないときに前置詞を使います。日本人が間違える代表的な語順は、「move A B」と使う場合です。日本人はAをBに移すと理解し易いのです。しかし、英語では直接目的語「(…を)に当たる」を文末に置きますので、機能はBをAに移します。語順を変えるときは、前置詞を使って「move A to B」と書きます。移動先がはっきりしている文は、「give him a book」または「give a book to him」の言い換えがあります。後者の文は、himの方を強調する意義のときに使います。 |