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9. 文章作成の実技教育

9.1 パソコン利用の基礎教育


9.1.5 起承結の論理的中身

 一つの段落は、一つの論理的な主張で区切るようにし、二つ以上の主張を含ませません。日本人の作文では、気分的に改行することをしますので、これを改めるような指導が必要です。段落単位の文の内容は、「起承結」の構成を持たせるようにします。したがって、段落単位の文章内容の要約に、見出し(header, caption)を付けることができます。筆者の原稿は「章・節・項」の3分割構成です。最小単位の項が段落単位を意識してあって、文字数は平均して約600字です。さらに、項単位に見出しを付けてあります。筆者の文科系の友人に原稿を見せたところ、一つの段落の文字数が多過ぎる、と感想を言いました。視覚的な読み易さを意識すると、一行分の文字数を少なくする段組み構成を併用し、気分的な改行をしたくなります。しかし、論理的な一単位の中身が起承結を含むように改行なしに繋ぐと、文字数は増えます。論理的な組み立て方法を解説しておきましょう。「起」は一般論を書きます。「承」は具体的な例を挙げて説明に使う場面です。「結」でその段落のまとめや主張を書きます。一つの結論を意識しますが、二つ以上の結論を書くときに箇条書き「リスト(list)」にします。物理的に構成するときは、表にまとめる方法を応用します(第4章参照)。

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