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9. 文章作成の実技教育

9.1 パソコン利用の基礎教育


9.1.1 パソコン利用の時代になったこと

 現代の作文は、筆やペンを使って手書きで文字を並べる作業に代わって、パソコン(personal computer)のエディタ(テキストエディタ;text editor)か、ワープロ(ワードプロセッサ;word processor)を利用することが普通になりました。そうするには、パソコンの使い方から覚えます。コンピュータはアメリカ主導型で開発・発展してきました。日本語固有の縦書きに適応する工夫が追加され、横書きの種々の習慣も取り入れることになりました。日本語作文の教養は、和歌を詠むことと、漢詩を作ることにありました。和歌は万葉集にまで遡る歴史があります。これは日本語の音節(syllable)で五音と七音の並び単位を、主に仮名文字で書きます。漢詩は、中国文学に学んだ漢字表記ですが、元の中国語の発音で吟ずることが目的ではなく、もっぱら文字並びの構成方法を真似しました。それが起承転結の作文技法です。こちらは、実用文書の書き方の常識となっていました。しかし、英作文の習慣から見れば、転を省く「起承結」の三段構成が合理的です。

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