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8. 作文希望と教育指導

8.2 日本語文法を見直して作文する


8.2.7 英語のbe動詞と対応を付ける方法

 英語のbe動詞は、日本語にはない概念を表しますので、それを含む英文を訳すときに苦労があります。品詞としての一般動詞は、事物の「動き」を表す言葉であるのに対して、be動詞は、静的な状態を説明する言葉です。「存在する」「定義する」の意義を直接・間接に持たせた言い方です。この静と動の二種類の動詞を区別する文末の表現に、「…です」と「…ます」とを使い分けます。一方、「である調」の文末は、be動詞に当たります。一般動詞は文末を終止形で切るか、「…のである」のように付ける言い方をします。面倒なことに、beの用法に助動詞の使い方もあって、英語の辞書を見ると多くの説明が見られます。一般動詞と組み合わせるとき、静的な性質を含む意義があります。進行形(be …ing)は、現に動作している状態を言います。日本語では「…ている」と当てます。動詞をそのまま使う場合、必ずしも今動作をしていないが、それを習慣としていることの意義があります。例えば、「山登りをする」は、その人が山登りを趣味としている意義があり、「山登りをしている」はその時点で山に居ることになります。「我が輩は猫である」のように二つの名詞をbe動詞で繋ぐ表し方が定義文です。数学式では、イコール記号「=」を使います。「左右が同じである」の意義で使うこともあって、左右を入れ換える表現を区別しないこともあります。しかし、コンピュータ言語では代入文に使い、左右を入れ換える表現を許していません。

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