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8. 作文希望と教育指導

8.2 日本語文法を見直して作文する


8.2.2 構文論と意味論の区別がある

 前項に続けて、総合について説明します。何かのまとまりのある文を物理的に形態素に分けたとします。その個別の文字並びについて、同じ品詞であれば、別の用語を使って組み立てても(総合)、文法的(統語論的)には正しい表現です。しかし、意味を成さないことが起こります。例えば下のような文例がそうです。
  ・「猫は動物である」→「動物は猫である」
言葉の意味を捨象して、文法的な構造規則の正誤を扱うことを構文論(syntax;シンタックス)または統語論と言います。合成された文字並びが、論理的に合理的な意味を持つか否かを検査することが意味論(semantics;セマンティクス)です。この二つの用語は、コンピュータを擬人化し、コンピュータに理解してもらう作文、つまりプログラミングに関連して、コンパイラ(翻訳プログラム)の機能として知られるようになりました。プログラミング言語は、発声を目的にしませんが、人の方で理解するために英語風の構文が工夫され、読み上げる使い方もします。

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