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8. 作文希望と教育指導

8.1 作文の計画


8.1.8 教材を目的とした作文

 筆者個人は、日記を書きません。ノートにデータやメモを順に書き、日付を入れておけば日記風の記録になります。しかし、後からデータとして参照する作業には向きません。筆者は大学の教育現場にいましたので、手書きで教材を準備することに多くの時間を割きました。薄く罫線の入ったA4の用紙を使い、覚えとして日付を入れ、乱れ籠方式に、綴じないでファイル化しておきます。ノートは、綴じが固定されますのであまり使いませんでした。現在はワープロの利用に変りました。コンピュータのメモリにあるのでは直ぐにみられませんし、ファイル検索が案外面倒ですので、ハードコピーを一部取っておきます。原稿を整理する時点になったとき、内容の論理的な繋がりを考えて取捨選択や並べ換えをします。教育目的を考えて教科書や参考書にまとめておくことは、重要な項目の知育に抜けが無いようにする目的があります。対面授業(スクーリング)は教育の基本です。時間数の不足などによる抜けも起こるからです。教育用著作は、第三者の著作の引用が避けられません。厳密に著作権を尊重すると、何も書けなくなります。正確な引用を心がけると、自分自身にも勉強が必要です。教育用著作は、読者に読んで理解してもらうように丁寧な作文を計画しなければなりません。教科書は、学習者の知識レベルに合わせて、初歩から上級までの段階に分けるのが丁寧です。習う側がどの程度の知識レベルであるかを調べる方法の一つが試験です。試験は、学習者の選別に使う入学試験のことを第一義的に考えますが、教える側の参考データや反省材料を得る目的もあります。学術論文は、幾らか作者の自己顕示欲を満たす書き物です。読者が理解してくれなければ評価もされませんので、教科書的な丁寧さも重要な要素です。したがって、学術論文では、序論のところで読者向けの解説をまとめます。

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