漢字の本家である中国では、漢字発音の種類を、俗に支那四声と呼びます。日本語の音読みに取り込むときは単純化されます。戦前までは、例えば「過」「果」はkwaと発音しましたが、現代ではkaで済まします。漢和辞典で調べるとkaと読みを当てる漢字は135字もあります。また、「ち」の濁音「ぢ」を「し」の濁音「じ」で表記することも見られます。これらの単純化が同音異義語の使い分けを難しくしています。世界的に見て、どの言語でも表記と発声の単純化が見られます。アメリカ英語は、イギリス英語を単純化したスペルを多く見ます。一方、語の種類は、外来語の取り込みなどで増えていきます。この全体を言葉の乱れとして捉え、歯止めを掛けることも見られます。フランスでは、純粋なフランス語を大事に使う習慣があって、英語での言い換えが便利な場合であっても、敢えてフランス語にこだわることをします。それに比べると、日本のインテリは軽薄なところがあって、外来語をひけらかすことがあります。日本のラジオ放送は1925年に、テレビ放送は1953年に始まりました。ラジオは、文書を音声で伝える媒体ですので、同音異義語の使い方に注意が必要になりました。テレビは、音声だけでなく、画面に文字を使うことができます。文字だけを扱う文字放送もありますが、即時的に話しの中身を文字表記で補う使い方が増えました。眼の不自由な人は音声を聴き、耳の不自由な人向けに文字表記も見るようになりました。発言者がいるとき、すぐ隣で手話サービスすることも見られます。 |