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7. 文章構成の学問的な扱い |
7.4 標準語の成立過程と保守の現実 |
7.4.1 大都会で話し言葉の標準語が育つ |
多くの人が交流する大都市では、方言違いによって相互理解に支障が起きないような妥協が図られ、結果として標準的な話し言葉が生まれます。その言葉が定着するには年数が必要です。江戸時代、江戸っ子として認められるには親子三代が江戸住まいであることが条件でした。日本では、東京言葉が標準語の母体です。面白いことに、北海道の札幌でも東京言葉とほぼ同じような話し方が使われています。ただし、微妙な方言違いがあります。東京言葉は、「ひ」の発音が「し」になること、また助詞の「が」を鼻濁音になることが特徴です。NHKによるラジオとテレビ放送は、地方でも標準的な話し方を聞く機会を増やしました。そうであっても、大都市の言葉遣いは、必ずしも地方に普及しなくて、標準語を話す方は簡単にはできません。その理由は、標準語を話す人が身近に居なくて、対話の機会がないためです。これは英語の勉強でもそうです。 |
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