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7. 文章構成の学問的な扱い

7.2 欧米に学んだ日本語の言語学


7.2.6 単語をさらに細かく分ける考え方

 文字並びを読んで発声するとき、発音の最小要素が音節(シラブル;syllable)です。日本語で使うカナ文字は表音文字ですので、子供でも読めます。しかし、カナ書きの文章は、分かち書きにしないと意味が取れないことが起こります。分かち書きの区切りに使う文字または記号をコンピュータ用語でデリミタ(delimiter)と言います。漢字は熟語単位が視覚的に分かりますので、漢字・カナ混じり文は分かち書きをしません。この文字並びを膠着語の書き方と言います。日本語の文字並び全体をコンピュータで意味の解読から発声にまで応用したいとき、意味を持つ最小言語単位として、形態素 (morpheme)に分ける方法を使います。見掛けで二つ以上の独立した語それぞれを形態素と呼び、それを一続きにして単語に組み立てると考えます。英語での例を挙げると、happi-ness, dog-house, re-writeは二つの形態素から組み立てられた単語です。漢字は、一文字単位が形態素の性格を持ちます。実用的な単語は、二字熟語、四字熟語の形であって、品詞としては名詞扱いです。動詞・形容詞などは活用して使います。その文字並びは、語幹に接尾語を付け、それを変化させます。この構成方法の文字並びを屈折語と言います。膠着語と屈折語とは混用して使うことが多くなりました。文字並びの文を発声するとき、意味を区別するために、微妙な(ま)を取ります。意図的に間を取ることを指示する記号が句読点です。英語ではコンマ「,」の使い方は、文法的な規則があります。日本語の読点「、」は、読み易さを助けるために恣意的に使います。コンピュータに日本語文を読み上げさせたい文は、間を指示するためのデリミタを必要とします。筆者は、半角のスペースを使うことを試しています。

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