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7. 文章構成の学問的な扱い

7.2 欧米に学んだ日本語の言語学


7.2.5 品詞分類法を日本語に応用する

 欧米の言語学を学んで日本語の研究に応用するとき、語の種類を品詞に分ける方法が摸倣されました。欧米語は、表音文字のアルファベットを表記に使いますので、意味のある語単位に表すために分かち書きをします。その単位が単語です。日本語の言語学的な研究にも品詞分類法が幾つか提案されています。しかし、輸入概念ですので不自然な提案もあります。例えば、「がのにを」で代表される助詞は日本語の品詞分類で必要になった品詞です。英語の前置詞・接続詞に当たるのですが、文の並びから言えば後置詞です。言語違いでも共通して利用できる品詞は物の名前を表す名詞です。それ以外、動詞・形容詞・副詞などは、1対1の対応ができません。日本語では名詞の単数・複数の区別を厳格に扱いませんので、英語の冠詞に当たる品詞はありません。

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