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6. 書物の体裁と保存

6.3 文書管理の実際


6.3.7 安全管理に鍵つきキャビネットを使う

 現代は、資料の中身が外部に流失し、それを悪用する犯罪が増え、社会問題にもなっています。プライバシー情報、つまり個人情報、の保護に企業は神経質に対応しなければならなくなりました。ハードウエア的には、閉鎖的な作業空間と、家具としては、例えば鍵のかかるファイリングキャビネットの利用があります。そうであっても、制度や規則を決めておくソフトウエア的な面と同時に、取り扱う人とのインタフェースの総合が重要です。そうなると、企業内での人のシステム構成と関連を持ちます。第6.3.2項で触れたISO 9000は、このことについての精神的な要望も述べています。最近の用語としては、個人だけでなく、企業体としてのコンプライアンス(corporation compliance)の用語を見るようになりました。これは、単に法律を遵守すると言う意味に加えて、社会的規範や企業倫理(モラル)を守ることも含むと解釈するようになりました。

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