目次ページ  前ページ  次ページ

6. 書物の体裁と保存

6.3 文書管理の実際


6.3.4 開架式と閉架式の使い分け

 整理法は一つの技術分野を構成します。利用の機会が多い物品だけでなく、文書や資料なども、眼に触れる場所に置くのは一般的な習慣です。置く場所を決めて、面倒がらずに元に戻すようにするのが理想です。そこで、分類を決め、適当な入れ物に分け、見出しを付けます。図書館は、文書整理の代表的な施設です。道具としての保存用の家具や文房具、技法としての分類法、そして、司書(librarian)が、技能職です。しかし、一般企業では文書課のような専門部局を持つことは少なく、個人が悪戦苦闘することが普通に見られます。前々項で説明したISO 9000でも、実践的な教育情報はありません。図書の保存では、開架式閉架式の管理区別があります。図書館や書店で、開架式の展示は利用者には便利です。しかし、管理者側では、利用者が元に戻してくれないことの後始末や、紛失事故に気を使う苦労があります。

前ページ  次ページ