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6. 書物の体裁と保存 |
6.2 文書の内容によるページ区分 |
6.2.5 製本は技術である |
複数のページを綴じて書物の体裁にする製本作業は、一つの技術分野を構成しています。この全体設計を装丁と言い、種々のレベルがあります。印刷会社で製本部門を持つこともしますが、製本を専門とする会社もあります。装丁のデザイナ名と共に、書物の奥付に載ることがあります。大部数の書物の作製では、大版の用紙の両面に複数ページ(4, 8, 16, 32など)をまとめて印刷する大型の印刷機を使います。その用紙を折り込み、細い糸かがりで最終折りの中央を綴じ、その単位で全体を合わせ、耳の部分を裁断すると見開きの書物本体ができます。これを表紙の材料でくるみます。この作業は手が掛かりますので、簡易な製本も工夫されています。最も単純な製本は、週刊誌などにみられ、4ページ単位の用紙を重ねて、中央をホッチキスで留め、全体が二つ折りです。見掛け上、表紙がありますが、ページ番号は表紙が第1ページです。簡易製本では、背表紙部分と接着材で繋ぎます。一枚ものの用紙集合の綴じに使う文具も販売されています。これらの簡易製本の書物は、原則として保存の目的には向きません。 |
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