図形そのものは、単独に情報として使うことができます。文字及び文字並びは、それ自体の意味よりも、情報を伝達する媒体の意義があります。図形としての文字を使わなくても、文字情報をコード化したデータを利用することができるからです。電気・電子的な通信手段を介して情報の送受信ができます。このとき、送受信側で字形とコードとの対応に約束が必要です。表音文字を使う場合は、文字種の数が多くなりません。初期の電報の送受信に使ったコード系は、6ビットを使いました。現在では8ビットを1バイト(byte;binary term を詰めた人工語)とする単位系が標準です。漢字は、数が多いので、2バイトコードを決めています。送受信側で字形とコード系との対応が同じでないとき、正しい文字並びが再現できなくて、いわゆる文字化けが起こります。これは深刻な問題であって、情報処理技術では永続的な研究課題です。一般的な図形データをファイル化することと、通信手段を使って送受信することとは、似た問題を扱います。それには、情報の質を落とさず、データ量の増加を抑えることです。データの質を保つことは、データの信頼性を確保することです。物理的な原因による障害だけでなく、第三者による意図的な改変に対する安全対策(security)も考える時代になりました。それを避ける暗号化とその解読の歴史は古くからあって、部外者に内容を知られたくない通信手段には必須のソフトウエア技術です。インターネット時代になって、多くの問題が起こっています。データを何かの記憶媒体に記録して持ちだす、または通信手段を介して送受信をするときに、人為的な障害の問題が顕在化するようになりました。 |