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5. 図形と字形の作成

5.1 文字は読むことを目的とした図形


5.1.3 話し言葉に合った作文技法

 英文は表音文字を使いますので、文字から音に変換する音声合成技術の歴史は古くからありました。実用的な商品としてのソフトウエアは、1984年、アップルコンピュータにMacInTalkを搭載したのが始めです。日本語の場合、漢字を使うことと、分かち書きをしないことに特徴がありますので、音声合成の実用化の研究には年数が掛かりました。問題点は、単語または熟語の切れ目の判断が難しいこと、さらに音訓の読み分けが必要になることです。一般の人は、文書原稿を書くとき、これを読み上げても使い、さらに、それをコンピュータにやらせることを殆んど考えません。実は、筆者の原稿は、読み上げても不自然にならない「です・ます調」にしてあります。コンピュータに読ませると、程ほどに話してくれます。この連載では、後半の章に、音声合成を考えた原稿の書き方にも触れます。

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