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5. 図形と字形の作成

5.1 文字は読むことを目的とした図形


5.1.2 アラビア数字列は読み方が特殊である

 数字を、例えば1945とアラビア数字列で書いてあるとき、この読み方を考えたことがあるでしょうか? 数字単独は、読み方があります。数字並びは、位取りの十、百、千などを補う言い方もします。英語の場合、二桁単位に切って読む習慣があります。上の1945も年号を言う時、19と45と二桁の数に分け、数字の単位を使いません。読みに別の単語;(nineteen)と (forty five)を使います。さらに言えば13から19までの数は、一の位を先、十の位を後に言う語順です。ドイツ語ではもっと徹底しています。例えば21を読み上げるとき、「ein-und-zwanzig」のように逆順で言います。英文を書くとき、アラビア数字を使うのは略記と解釈し、正式には英字綴りで書き、spell outと言います。英文は、文頭に数字を使いません。アラビア数字の文字列をどう読むかは、その場で判断しています。日本語では、数であることを強調した言い方は、単位を読みに加えて「千九百四十五」です。文字並びで言うときは「一・九・四・五」のように言い分けます。このような読み方の揺れは、情報化時代になって、新しい問題が起こってきました。それは、テキストファイルをコンピュータに発声させる約束が必要な音声合成システムです。

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