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3. 原稿から印刷までの苦闘

3.5 テキストエディタとワープロ


3.5.3 ページプリンタ用のエディタ

 ワードプロセッサ(ワープロ:Word Processor)は、印刷装置を意識し、そこに書式を調整したページ単位で原稿を編集するシステムです。印刷機の機能を考えておくことに注意します。一般書籍は、編集・版組・印刷・製本・出版、夫々に専門家集団の総合で作成します。その中で、活字を組む版組に最も手が掛かります。この作業全体を取り仕切るのが編集責任者(editor in chief)です。組版の出来・不出来が、原稿作成者の意図としばしば衝突します。文科系の人は字体に、また理科系の人は数式の組み方に不満を持ちます。そこで、組版を、植字工に依頼することに代えて、パソコンを使って自前で作成する要望が出てきました。これには、パソコンのシステムとして、グラフィックスモニタと、その印刷機としてのレーザープリンタの開発を待たなければなりませんでした。そして、これをシステム化した用語がDTP (Desktop Publishing)です。これには、組版全体をあらかじめモニタ上で確認した上で、そのまま印刷できる機能が要望されました。それをWYSIWYG (What You See Is What You Get)、日本語で言えば「見たままで印刷が得られる」です。これを実現するには、パソコンのOSとしてGUI(Graphical User Interface)の開発が必要でした。

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