段落(パラグラフ;paragraph)とは、ある論理的な文意の塊を言います。物理的には、段落の始まりの行で一文字分の空白を入れます。縦書きの日本語では字下げと言いますが、横書きが普通になりましたので、インデント(indent)と使うようになりました。段落の終りは意図的な改行(強制改行)を入れますが、次の段落のインデントでも区別できます。しかし、インデントを使わない書き方をすることもあって、そのときは一行の空白行を入れます。英文レポートに、たまに見かけます。日本語の作文教育では、段落構成に関しての明確な目的意識が無く、言わば思い付きで改行します。これは言語習慣と関係しています。英語は、主語述語の揃った文単位で或る概念を表します。これを論理学では名辞(term)と言います。段落は複数の名辞の並びで構成し、一つの主張や結論を含ませます。欲張って複数の文意を入れません。入れたいときには、箇条書きのような構成にします。したがって、段落の内容を簡潔に表す見出しを付けることができます。それは、段落の要点または抄録を示します。筆者の作文は、これを意識して構成してあることを見て下さい。文章は、段落の集合です。便宜的に章・節・項の分類を使い、それぞれに見出しを付けるのが丁寧です。見出しは、文章内容の要約を示す意義があります。文学作品にも見出しを使うこともありますが、内容を示す付け方ではなくて、情緒的な、また思わせ振りの見出しを使いたがります。これは、日本語では俳句的な表現に馴染みが多いことに原因があります。 |