横書きの文書は、水平方向の基準線を決めて、文字の上下方向の位置と、横方向の詰め方との二方向で、文字並びを決めます。基準線は、複数決めることがあります。基本とする横線は、文字高さの下縁に置くのが普通です。高さの中央に決めることもあります。製図基準では、寸法線と寸法数字との相対的な位置関係を決めるときに問題になりました。現在の基準は、寸法線の上に文字の下縁を揃えます。そうであっても、英字のf, g, qでは基準線の下に伸びる線を描く字形デザインがあります。アンダーラインは活字の字形ですが、それを引くときには字形の下側と重ね書きににならないような注意をしています。このことを考えて、字形横並び全体を囲う枠の寸法を決める表を考え、その枠内に限定して文字並びを決める方法が増えています。表計算ソフト、例えばEXCELがそうですが、枠線を描かせない印刷形式も選べます。ワードプロセッサは明示的な枠を使いませんが、横幅と行高さを一つの枠と考えると、文字並びの指定を理解できます。横方向の文字並びは、「左詰め・右詰め・中央揃え・均等割り付け」の区別があります。上下方向では、枠の中だけの「上・下・中央」に詰める選択ができます。文字単位では、「上付き・下付き」で高さ方向の位置指定をします。このときは、半角寸法の文字を使います。しかし、タイプライタ形式の印刷方式を踏襲するコンピュータ用のプリンタでは、上付き・下付き文字を使わない書き方を工夫しました。実数を表すとき、ベキ乗の書き方を、例えば2.1×106を、2.1E06とするのがそうです。単位系にも指数表示が必要です。例えば、面積をm2とする書き方ができない場合があります。日本語の漢字の読みに振り仮名(ルビ)を付ける方法は、明治から昭和にかけて印刷出版の専門分野では普通に採用されていて、庶民レベルで漢字熟語の読みを覚えるときに役に立ちました。しかし、活字を組む側では面倒な作業ですので、戦後は、字数を制限し、読みの種類を決めた常用漢字の約束を歓迎した経緯があります。しかし、地名や人名などにまで、表記と読みを制限できません。日本語を扱うワープロ、またHTML文書でも、振り仮名を付ける機能があるのが特殊です。 |