欧文・和文を問わず、タイプライタは簡便な印刷装置です。欠点を言えば、文字と字詰めの寸法の選択に自由度が小さいことです。和文タイプでは10ポイント(10ポと略す)、または12ポです。これは英文タイプライターでの活字寸法と合わせています。活字寸法に対応させるには、活版にするか、タイプライタ本体を別にしなければなりませんでした。漢字活字は真四角(全角)が標準です。英字は幅と高さに種類があります。文字並びにしたときの高さ寸法をポイント数で指定します。この長さ単位は、1インチ(2.54cm)が72ポイントです。この寸法を巡って、用紙寸法と関連させた一行当たりの字詰め、ページ単位の字数が決まり、その制限内での書類の体裁が工夫されます。日本語の文字並びが左横書きになったのは、日本語の中に英数字を混ぜた印刷に対応させるためです。そこで、英数字の方の活字デザインに工夫が必要になり、二種類の寸法系列が使われるようになりました。半角と全角です。タイプライタは、手紙などに利用することが多いので、読み易さも考えて、大きめの活字を選びます。標準の字詰めは、A4用紙一行幅に半角で80字、全角で40字とするのが標準でした。マイクロコンピュータを利用し、単能機として一時代を画したワープロ専用機は、この字詰めで設計されていました。 |