商業的に成功した機械式の英文タイプライタは、レミントン社のタイプライタ (1873年)に始まりました。机の上(デスクトップ)に置き、キー配列を言うQWERTY方式は、この製品からであって、キーボードのデザインとして定着しました。この社名は、レミントンランド (Remington Rand, 1927- 1955) を経てユニシス(UNISIS)になりました。コンピュータのメインフレームUNIVACの製造元でも有名でした。一方、IBM社は、1935年 に電動タイプライタを発売しました。1960年代には、事務用だけでなく、コンピュータに使われる標準的な入出力装置としても多く使われ、一時代を画しました。しかし、処理速度がコンピュータの演算速度に比べれば桁違いに遅いので、高速を目的とした種々の入出力装置の開発も促したのでした。しかし、人の眼と手による文字操作は基本ですので、電動タイプライタは、システムエンジニアが使うモニタ用として重要なハードウエアです。その外形デザイン全体は、電報の送受信に使ったテレタイプ (TTY; Teletype、社名です)を利用しました。その操作をパイプオルガンの演奏台に見立てて、コンソールと呼びました。タイプライタは用紙を必要としますので、現在はそれを使わないディスプレイ式のモニタになり、プリンタが別装置になりました。 |