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2. 数学と算術との対立 |
2.5 実用計算の進め方の歴史 |
2.5.7 関数副プログラミングの開発から |
会計計算は、数学関数を使うことはありません。事務処理を指向したコンピュータを科学技術計算に利用するためには、数学関数を別にプログラミングをしておいて、それを副プログラム(サブルーチン:subroutine)として集めて,ライブラリとして充実させる必要がありました。その成果が最も衝撃的に表れたのは、1972年に始まる関数電卓の登場です。電卓は曲がりなりにもコンピュータです。数学関数を組み込みにして使えるようにしたものです。それまでは、三角関数や指数関数の数値が必要になるとき、市販の数表を参考にしていました。数表を使って精度よく計算するため、内挿計算の手間も必要でした。それが、関数電卓を使えば数表を必要としなくなりました。これによって、大きな打撃を受けたのは、関数の数表をドル箱としていた出版会社であって、この販売量が壊滅してしまいました。パソコンはやや高価でしたが、組み込み関数が利用できました。ただし、電卓もパソコンも、モニタ画面の数値を眼で見て書き写す手間がありました。これを一応解決したのが、安価なドットマトリックスプリンタの出現でした。 |
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