目次ページ   前ページ  次ページ

2. 数学と算術との対立

2.5 実用計算の進め方の歴史


2.5.5 数字の読み書きに手間がかかること

 手計算で数値計算をする場合も、また、そろばんを始めとして計算道具を使う場合であっても、データを読み取って計算準備をすることと、それを再び用紙などに写すときに、実際計算時間よりも遥かに長い時間が取られますし、このときに写し間違えなどの人為的なミスが多発します。これは深刻な問題になることがあって、ミスがどこで発生したかを突き止めるための、実践的な工夫を研究することが重要な課題です。計算機械そのものにプリンタを付けたものは、おなじみの金銭登録機(cash register)です。これを技術計算の実務でも利用することもしました。コンピュータを利用する場合には、結果の出力に高速のプリンタが利用されます。そうであっても、手作業でデータを入力する場面があるときは、依然として、エラーの発生を考えておく必要があります。

前ページ  次ページ