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2. 数学と算術との対立 |
2.5 実用計算の進め方の歴史 |
2.5.2 普通の電卓の計算はそろばんの同類 |
そろばんは、興味のある計算道具です。そろばんの桁位置で0〜9の表示ができますが、原理的に見ると5進数が応用されていて、珠(たま)の数を節約しています。そろばんは、見掛けは一続きのレジスタです。ユーザは、適当な長さの複数の領域に分けて、数の計算場所(レジスタ)にもメモリとしても使い分けます。コンピュータの演算処理の部分は、一定長さのビット並びの領域を単位として、計算用レジスタとするか、メモリとして使うかの機能を区別して製作されます。ビット並びの数単位で、8, 16, 32, 64ビットのコンピュータと区別して言うのがそうです。数値計算で扱うことができる数値の最大桁数は、レジスタの寸法で制限を受けます。したがって、有効桁数が長い数の計算をするときは、複数のレジスタを論理的に繋いで、長さの長いレジスタとして使えるようにするか、プログラミングを工夫して、倍長計算をさせます。電卓の場合には、そのどちらの方式も採用しません。普通の電卓では、整数計算だけを対象としていますので、前の項で説明したように、オーバーフローやアンダーフローのエラーが起こります。 |
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