ビット並びで数を表現する約束は、プログラミングではデータ型として、大きく、整数型と実数型の2種類に分けます。この区別は、コンピュータの演算装置の機能設計と関係します。整数を表す方法が最も基本です。正の整数だけを扱うときは、順序数としての利用です。そう約束すると、ビット並びのビット数によって、表現できる整数の最大値が決まります。ビット並びがすべて1であるときに最大の整数値を表し、それより1大きい順序数は0に戻します。負の数を表したいときの約束は、ビット並びの先頭を符号ビットとして予約し、これが1であると負の数であるとします。0から1を引くと、順序数で言えば、すべてのビットが1で正の最大値を表すのですが、これを−1と約束します。これは、コンピュータを初心者が勉強するとき、理解の難しい約束です。小数点を持つ実数をビット並びで表す方法が浮動小数点法です。これは、一続きのビット並びを三つの領域に分けます。先頭から、符号部、指数部、仮数部とします。符号部は1ビットを使い、負の数を表すときに1とします。指数部は、小数点位置の情報を符号付きの整数で表します。仮数部は、実際の数値本体のビット並びを左詰めの整数で保存し、符号を考えません。したがって、実数の正負を反転する処理は簡単であって、先頭の符号ビットを反転させるだけで済ますことができます。数値の有効桁数として10進数で7桁を必要とするときは、実数型のデータ型としてのビット数は、全体として、最低で32ビットの長さを使います。 |