コンピュータの開発は軍事利用を目的とした高速の科学技術計算にありました。民生利用は、会計計算を目的とする方が圧倒的に多いのです。コンピュータが高価なシステムであった時代、その両方に使えることを謳ったのが汎用コンピュータ(main frame)でした。IBM社(International Business Machines)が開発した各種のコンピュータは、その社名にあるように、ビジネス計算に重点を置きました。System/360の機種の命名にある360は、全方位360度の意義を持たせたものでした。科学技術計算は、そのコンピュータのビジネス計算に合わせるように工夫しなければなりませんでした。したがって、数値計算に適したコンピュータを別に開発する要望が強くあって、こちらをスーパーコンピュータと区別します。ビジネス計算では、書式の整ったレポートの作成ができることが、コンピュータシステムを評価する項目の一つです。簿記(ぼき)とは、英語のbook keepingの発声に当てた用語です。この機能を科学技術計算でも利用してきました。パソコンは、汎用コンピュータが進化したものです。数を文字並びで表記する約束が書式(フォーマット:format)です。実数を表す科学技術計算の書式は、技術計算書に見られます。こちらは整数計算を基本とする会計計算の書式とは大きく異なります。 |