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2. 数学と算術との対立

2.3 数の丸めを理解する


2.3.5 選言と連言

 論理学は、文章の意味を分類するときの学問です。主部と述部とを備えた文章の1単位(Aとしましょう)を名辞(term)と区分します。二分法を応用するとき、名辞の意味をそのまま認めるか(肯定)、認めないか(否定)の判断をします。典型的な二分法は、敵と味方の仕分けです。中立を認めないか、日和見(ひよりみ)として軽蔑します。味方でなければ敵です。「敵の敵は味方」の論理規則は、「否定の否定は肯定である」の二重否定則です。三分法以上の区分は、二つ以上の名辞(A,B,…)を組みにして区分を扱うときに現れ、二値論理学の演算則を必要とします。その基本は、特殊な論理用語ですが選言(A又はB)と連言(A及びB)の結合規則です。数学的な算術演算との類似を強調する用語として「論理和論理積」とも言います。英語では(A or B)と(A and B)です。とりわけ、選言(or)を文章の中で使うとき、意味上の区分から二種類の選言があることに注意します。「Or」を普通に使うとき、「A又はB、またはその両方」の3通りの意味を持たせます。正確に言いたいとき、(A or B or both)と使います。ただし、(A and/or B)と書くことも見ますが、正式な文書では使いません。選言には、もう一種類、排他的選言(exclusive or)があります。こちらは、「A又はBのどちらか一方」に限定します。この区分は、コンピュータを使う論理演算ではXORとして定義されています。

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