目次ページ   前ページ  次ページ

2. 数学と算術との対立

2.1 数を文字で表す方法


2.1.1 数と数字表記とを区別する

 数(かず)を認識するのは、高度な脳の作用です。広辞苑によると、数(すう)は、物の多少に相当する観念、とあります。この過程が、抽象です。反対に、物は、眼で見て実体を確認できますので、具象または具体と言います。和語では、「かたち(象・体)をそなえる(具)」と読みます。数の認識に続けて、次の段階は、数を文字で表す方法の理解です。言語ごとに、固有の文字を使います。文字を並べて、ある大きさの数を表す約束を覚えて、情報交換に使います。文字を使わない、別の方法で数を表す方法も増えています。コンピュータが数を扱うことが、その一つです。そこでは、数は文字ではなく、電気信号単位のビットを最小単位とし、ビット並びの約束を決めて数を表します。ビット並びを、文字の(0または1)の並びで表すこともします。これが2進数です。この他に、8進数16進数の表記の約束もあって、表記方法違いの数の相互翻訳が必要になります。数の表記は、この連載の表題にある文書の書き方と密接に関係します。

前ページ  次ページ