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1. 日本も開発途上国であった

1.3 横書き文書の衝撃


1.3.3 文章表記を代数式に代える

 数値をアラビア数字に書くことは、欧米言語でも特殊な書き方に属します。アラビア語は右からの横書きです。数字も位取りの小さい方から読みます。これは、数字を声にだして読み上げる、そのままを文字表記にする(スペルアウト)の方法が異なっていることに現れています。英語では、13〜19までの数は〜teenと言いますが、1の位を先に、10を後に言う逆順です。計算手順を声に出して言うときは、日本語にも英語にも固有の習慣があります。横書きの代数式、例えば、Y=A+Bは、"Y is equal to A plus B"の言い方を記号化したものです。したがって、式を見てもそのように発声します。代数式の表し方は、日本語の習慣にはありませんでした。日本語の環境で上の式を読むとき、語順が変わる翻訳文の口調になります。「Yは、A足すBに等しい」ですが、「A足すBは、Yに等しい」の方が自然です。

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