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12. 三次元的に扱う弾性問題

12.2 螺旋鉄筋コンクリート柱


12.2.2 螺旋鉄筋柱の耐荷力の計算原理

 螺旋鉄筋を使う鉄筋コンクリート柱の設計は、螺旋鉄筋の力学的な作用が、上の項で説明した砂柱を囲う円筒になることで、裸のコンクリート柱よりも耐荷力が増加することを計算に入れます。ASPを螺旋鉄筋の断面積、螺旋が描く円の直径をD、高さ方向のピッチをsとします。薄肉のパイプに換算すると板厚はASP/s、柱の軸方向の断面積に換算すると、πDASP/sになります。コンクリートが終局強度になると、原理的には砂と同じと仮定できます。鉄筋コンクリート螺旋鉄筋柱の耐荷力の実用設計式は、螺旋鉄筋の強度の寄与が、軸方向の鉄筋の3倍(上の項で導いた、35%の逆数)になるとして計算することが提案されています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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