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11. 数理弾性学

11.3 二次元弾性体の解析


11.3.1 二次元弾性体の問題

図 11.1 二次元弾性問題として扱う例

 二次元の均質な連続弾性体の解析で、代表的な問題の例を三つ示します(図11.1参照)。いずれも、幾何学的な境界条件が扱い易くなっています。 (a)は、引張応力を受ける板に円形の穴が空いているとき、断面積が最小になる穴の周での応力度が、断面の平均応力度よりも、どれだけ大きくなることを解析するモデルです。板に穴を空けてリベットで継手を設計するときの参考にするため、解析が研究されました。(b)と(c)は、部分的にはヘルツの接触として紹介したモデルです(第6章6.4節参照)。(b)は、地盤の支圧分布を解析するときに扱うモデルです。数学的には、集中荷重の直下が特異点です。コンクリートの引張り強度試験をするときのモデルが(c)です。円柱は、引張応力度によって縦に割れますが、その引張応力度の発生する解が解析されます。これらの解析は、材料個別の特性を捨象して、数学モデルだけで研究ができますので、専門分野としては応用力学の問題として多くの研究があります。具体的に数値として大小関係を知りたいとなると数値計算技術の課題として取り上げられます。こちらは、さらに、コンピュータの利用方法の研究、特にFEMの利用技術として研究されるようになりました。これらの詳細な説明には、かなりのページ数が必要ですので、この節はお話しだけに止めます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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