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11. 数理弾性学

11.2 均質な弾性体の解析モデル


11.2.2 独立な弾性常数の個数

 均質な弾性体は、基本的に立体構造を構成しています。微分的に考えた立方体に作用している独立な応力度成分と歪み成分はそれぞれ6個あります。応力度と歪みとの関係を表す弾性条件は、一般化したフックの法則と解釈します。その弾性係数は、代数的に勘定すると全部で36個ですが、相反作用の法則があって、独立な弾性係数の数は21個です。第4章、式(4.1)に示した6元の連立一次方程式は、梁の解析を説明するときに紹介したものですが、弾性条件の表現式です。均質な弾性体を扱うときは、任意の直交座標変換をしても弾性係数の関係が同じ式になりますので、独立な弾性常数の個数は2で済みます。これが、ヤング率Eとポアソン比νです。剪断剛性係数Gは、Eとνとで表すことができます。二次元の均質な連続弾性体の解析では、応力度成分と歪み成分の個数がそれぞれ3個です。応力度と歪みの関係(弾性条件)は、特に説明をしませんでしたが、第3章3.2.2項で紹介してあります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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