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9. 材料の破壊と部材の破壊 |
9.3 梁の塑性設計 |
9.3.3 梁の応力度分布の経過 |
図 9.7 曲げモーメントを大きくしていく時の応力度分布の変化(鋼材料の場合) 鋼材を使う梁に荷重を作用させ、曲げモーメントで梁が破壊するまでの経過を考えます。荷重の大きさを順に大きくしていくとき、曲げモーメントで生じる断面の応力度分布は、図9.7のように推移すると考えます。鋼材の応力度が弾性範囲内であれば、(a)のように、応力度分布は高さ方向に直線です。縁応力度が降服点になった状態(b)以降は、縁応力度の最大値がそれ以上には伸びず、(c)の状態になります。(d)の状態は極限状態のモデルであって、弾性範囲を考えません。荷重を増やそうとしても、回転変形を増加させる仕事をするだけです。一方、脆性材料の代表として、鉄筋を使わないコンクリートの梁では、実験技術の問題があって少し複雑です。コンクリート梁の処女材料は、引張強度もありますので、最初は(a)のような曲げ応力度分布になっています。引張縁で、引張強度を超えると、その個所に亀裂が入り、引張応力度は0になります。もし同じ大きさの曲げモーメントがそのまま作用すれば、梁は亀裂が入った高さだけ断面積が減りますので、連鎖的に亀裂が進行して折損します。 科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」 |
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