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9. 材料の破壊と部材の破壊

9.2 破壊の力学モデル


9.2.6 コンクリート強度のモール円モデル

図 9.5 脆性材料の破壊のモール円モデル
 図 9.5は、コンクリートのような脆性材料の破壊条件を説明するため、モール円の包絡線を描いたものです。コンクリートは圧縮強さに期待する使い方をしますので、σ軸は右を圧縮応力度になるように描いてあります。左端の小円は、純引張応力で破断するときです。原点を中心とする円は、純剪断応力度で破壊するときです。右の大円は、円柱試験体を使った一軸圧縮実験の結果を表しています。引張強度と剪断強度とはほぼ等しく、シリンダ強度の約1/10程度であることが実験的に知られています。支圧応力度を考えるときは、柱の外周を補強して部分的な圧縮柱と考えます。自由表面で、窪みか、部分的な押し抜き剪断破壊が起きるのを避けるため、許容支圧応力度は圧縮の許容応力度の2倍程度に抑えます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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