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6. 部材断面内の不静定問題

6.3 鉄筋コンクリート梁の計算


6.3.3 偏心軸力を受ける圧縮柱の計算

 鉄筋コンクリート柱の応力度を計算するとき、断面の核の範囲に軸力が作用すればコンクリートに圧縮応力度が出ません。この場合には鉄筋も圧縮応力度になります。核の範囲を広くするには、鉄筋を断面の周に片寄せて、断面の効率を上げます。核の範囲を求める計算は、線形弾性体の仮定を使い、断面の縁で、式(6.1)を応用して応力度が0になる条件で求めます。核の外側に軸力の作用点があると、線形弾性の仮定ではコンクリートに引張応力度が出ますので、これを無視する計算に切り替えます。鉄筋の配置を、図6.6のように、鉄筋を矩形断面の下側だけに入れれば(梁では単鉄筋矩形梁です)、鉄筋は引張り応力度になり、コンクリートの応力度が0になる(中立軸の)位置が上縁からxの位置になるとします。このxを未知数として計算することが、偏心軸力を受ける圧縮柱の計算課題です。これは、xの三次式を解くことになりますので、数値計算が面倒です。以下の項では、具体的な数値を使う計算手順を説明します。この計算例題は、断面諸元が与えられて応力度の計算をします。設計計算では、許容応力度を満たすような断面諸元を求めるのですが、普通は、断面を仮定して応力度を求め、それをみて断面を変更する試行錯誤が行われます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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