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6. 部材断面内の不静定問題

6.2 柱断面の核


6.2.2 バネで支えられた梁と同質の問題

図6.3 橋台の反力分布
 図6.3は、橋台が地盤で支えられる状態を模式的に示したものです。地盤に弾性的な性質があって、支圧の反力をバネ作用で持つと仮定します。さらに、引張応力度には抵抗しないと仮定すると、橋台全体の合力が橋台底辺幅の1/3より外側を通ると、橋台の一部が浮き上がることになります。この力学モデルは、図6.2を90度左に回転させた状態になることが分かると思います。異なることは、引張応力度が働かないことです。この橋台を等間隔に並べた杭基礎で持たせるとしたモデルは、第1章、1.3節、図1.7のバネ支承で支えられた梁と同質の問題であることを理解して下さい。図1.7の場合は、「充分に大きな曲げ剛性を持った梁が、有限個のバネで支えられた力学モデル」ですが、この解析は、有限個数の柱を束ねて梁として使うことになっています。梁として、曲げに対して平面保持の仮定を適用することを宣言することが、上の文の「充分に大きな曲げ剛性の梁…」です。梁の曲げ変形も考える場合は、構造力学の課題として研究されますので、ここでは説明を省きます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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