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6. 部材断面内の不静定問題

6.2 柱断面の核


6.2.1 曲げと圧縮を受ける梁を解く

図6.2 軸力と曲げモーメントを受ける梁
 圧縮力を受ける柱は、圧縮力の作用位置が、必ずしも断面の重心(芯)を通るとは限りません。重心からのズレ(偏心距離)が柱断面に曲げモーメントを作用させます。ズレが大きくなければ、柱全断面が圧縮応力度の場になります。しかし、ズレが大きくなると引張応力度が荷重の作用位置と反対側に出るようになります。この解析を、まず、軸力とその偏心で生じる曲げモーメントを受ける矩形断面の梁として扱います(図6.1)。矩形断面の重心を通る縦軸に沿って軸力の作用位置eを移動させると、縁応力度な下の式(6.1)で得られます。  
この式から、縁応力度に引張応力度が出ない条件は、高さの中央から±h/6の範囲であることが分かります。この範囲の幅は、梁の高さの1/3です。向きを縦横変えると、幅の1/3が圧縮応力度の出ない範囲です。この二つの条件から、矩形断面の中央で、菱形の範囲に荷重が作用すれば、断面のどこにも引張応力度が出ません。この図形範囲を断面の核(core)と言います(図6.4参照)。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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