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6. 部材断面内の不静定問題

6.1 組み合わせ部材


6.1.3 構造物は部材を単位として組み合わせる

図6.1 重ね梁(上)と合成梁(下)
 部材の構成材料が何であるかを考えないで(捨象して)、柱、梁などの組み合わせた構造の、力学的な性質を扱うことが構造力学です。材料力学との境界が曖昧になることがあるのは大目に見ます。トラスをマクロに見て、均質な桁として扱うのがそうですし、逆に、連続した二次元の板をFEMでは網目構造の骨組みでモデル化する、などがあります。図6.1は、二つの梁を上下に重ね合わせて使う場合の力学モデルとして、重ね梁と合成梁とを示したものです。この中間として、下の合成梁のズレ止めに弾性的なバネ作用を考える力学系も解析されたことがあります。しかし、設計に応用するとしても、理論式が面倒であることと、それだけの努力をしても、合理的で経済的な部材設計の提案に繋がらないことも、理論解析の結果から分かりました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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