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6. 部材断面内の不静定問題

6.1 組み合わせ部材


6.1.2 種類違いの材料を組み合わせる

 構造部材は、一つの材料種類だけから形状を形成するだけでなく、種類の違う材料の組み合わせも実用されます。コンクリートは、種々の鋼材と組み合わせて、材料の特徴を生かす工夫がされます。鉄筋コンクリート部材がそうです。この鉄筋の使い方では、プレストレスコンクリートのように、鋼材の種類違いを使い分けしますし、施工の方法にも工夫があります。もう少し大きな部材は、鋼桁とコンクリート床版との合成桁(composite girder)があります。PC桁を先に架設しておいて、後から施工するコンクリート床版との合成桁もあります。一方、ハイブリッドは、生物の交雑種として使う英語のhybridからきた用語ですが、あらゆる場面で使われるようになりました。鋼構造物では、材質の異なる鋼材を組み合わせた場合にこの用語を使うことがあります。応力が大きくなる個所の部材は、断面寸法を大きくして対応するのが普通です。それを、同じ断面寸法の、強度の高い別種の鋼材を使い、普通鋼材部材と混用するときに言います。平行弦のトラス橋の製作に軸力が大きい個所に使われたのが始めです。プレートガーダーでは、ウエブの部分を普通鋼材とし、フランジ部分を高張力鋼にすると、全体を高張力鋼で製作した場合と、強度が殆ど変らないことが実験的に確かめられています。しかし、種類違いの鋼材であっても、見掛けで区別が付きませんので、ハイブリッドの用語はあまり一般化していません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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