目次ページ  前ページ 次ページ

4. 三次元的に扱う柱と梁

4.2 断面図形の幾何学的定数


4.2.3 断面一次モーメントQ,Q

 英語ではstatic moment、日本語では能率とも言います。この計算は、高校までの物理では力の釣り合いを扱うときに出てくる概念です。英語のstaticは、その意味を持っています。能率と言う用語は一般的には効率の意味にも取られますので、専門用語はモーメントを使います。この場合にも曲げモーメントの用語があるように、真面目に考えると難しい概念で理解しなければなりません。一次は、数学的な表現式で、座標変数の一次式を使うことから使います。一次モーメントの計算は、断面図形全体で計算するだけではなく、或る部分の断面積についての計算が重要です。これは、剪断力の計算のときに使われます。計算の概念式は、
   
 断面一次モーメントの記号の使い方も恣意的なことが見られます。例えば、一次モーメントは、y軸回りの回転能率を計算しますので、カタログなどの添え字では回転軸にする座標軸の記号yの方を使っています。後で説明する断面二次モーメントを表す場合も、カタログの座標記号に回転軸の方の座標記号を使っていますので、この節で説明する数学的な記号の使い方と異なっていることに注意します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

前ページ 次ページ