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3. 二次元弾性体の応力と変形 |
3.2 主応力と主ひずみ |
3.2.1 座標系を考えて応力度の向きと符号を決める |
図3.5 応力度と歪みの、記号と向きの約束 二次元の弾性的な板を扱う力学モデルを数学的に扱うときは、弾性体に平面座標系(x,y)を決めておきます。板の厚み方向はz軸ですが、この方向は単位幅とします。或る位置の応力を考えるため、微分的に考えた単位正方形を切り出し、そこでの、力の釣り合いと変形との関係を求めます。切り出した弾性体に作用させる外力は対で働くのですが、単位寸法の面に作用する力を座標軸方向で個別にPX,PYとします。PXは、x軸に直交して切断して右側を取り去ったとして、残った方の材料の、右側の面に作用する外力の方で注目します(図3.5参照)。説明が少しくどいのですが、この約束を理解しておきます。この力をさらに座標軸方向の成分に分解し、垂直応力と剪断応力とに分けます。これをPXX,PYXと書くことに代えて、単位断面積当たりの応力度の記号σx、τを当てます。同じようにy軸に直交する上側の面について、垂直応力度と剪断応力度の記号をσy、τと決めます。τには座標系の記号としてτXYとτYXと区別して書くべきですが、この二つは釣り合い条件から同じ大きさですので、座標記号なしにτと書く習慣です。因みに、三次元の弾性体を扱うときは、座標系の記号を二つ添えて剪断応力度の作用面と力の向きを区別しなければなりません。 2010.2 橋梁&都市PROJECT |
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