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2. 簡単なトラスの応力と変形

2.1 静定トラス


2.1.3 静定平面トラスの解析

 トラスの解析は、格点での部材力の釣り合いを考えるのが基本です(図2.1c)。格点では、その格点に向かって向きを持った部材力と外力とが作用するとして、力の釣り合いを考えます。力をベクトル的に見て、ベクトルをすべて加算すると0になるとする条件が釣り合い条件です。ベクトルを垂直成分と水平成分に分けて、代数的な釣り合い条件を、説明的にΣV=ΣH=0 と書きます。トラスの格点は、外力と部材力を含めて、少なくとも3つの力が集まります。二つの部材力を残し、それ以外の力が分かれば、未知の部材力が計算できます。或る個所の格点で部材力と外力のすべてが分かれば、隣接する格点での部材力を芋づる式に計算することができます。この解法を節点法と言います。解析の出発にする格点を、支点にするのが普通です。支点反力は、トラス全体に作用する外力を考えた、全体の釣り合い条件を使います(図2.1b)。このときは、或る支点に注目してモーメントの釣り合い条件を加えた三つの条件であって、上の条件と合わせて、説明的にはΣV=ΣH=ΣM=0 と書きます。力の釣り合い条件だけで、すべての部材力の計算ができるトラスは、静定安定であると言います。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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