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2. 簡単なトラスの応力と変形

2.1 静定トラス


2.1.2 簡単な平面トラス

図2.1 平面トラスの力学モデル

 実際のトラス構造は、平面トラスに構成することが基本です。3本の部材を三角形に組んだ形を順々に接続させて構成します。立体的なトラスに構成する場合であっても、平面トラス単位を二次元的な板のように組み合わせます。三角形の頂点を、応用力学では節点(node)と言いますが、橋梁工学では格点(panel point)と使います。この著作では格点の方を使います。力学的な仮定は、部材の中間に横からの力が作用しないように、また、節点で接続部材に曲げが働かないとして、軸力だけの釣り合いを計算します。トラスを解くこととは、大きな変形をしないように構成した全体に外力が作用したときの、個々の部材力を求めることです。実際の構造物では、トラスの格点を構成することが技術的に重要な課題です。トラス全体は、大きな移動も回転も起こさないように支える必要があって、大地との接続を構成する格点を支点(support)と言います。橋梁構造の支点は、特別な部品として支承(bearing support)を使います。技術用語では(くつ:shoe)とも言います。主として鉛直方向の反力を受ける目的で設計しますが、回転ができるようにピン構造が使われます。水平変位も拘束する個所を固定支点、温度変化などによる水平変位などを逃がす個所を可動支点(図2.1a)とします。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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