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1. 引張材と圧縮材 |
1.4 温度応力・残留応力などの不静定問題 |
演習例題 1.4 |
(1)図1.11の例題です。二本の鋼棒が両端で拘束されている力学モデルを考える。上下の鋼棒の断面積をAU=0.5ALとする。上側が陽に照らされて25℃だけ温度が高くなったとして、上下の鋼棒の応力を求めよ。たたし、線膨張係数は、α=1.2×10-5/℃、ヤング率はE=2.1×106
kgf/cm2とする。 (例解)自由に変形させたとして、上の鋼棒の歪みは、ε=25×1.2×10-5=30×10-5。これを単独に押し戻すときの応力度はσU=−Eε=−630 106 kgf/cm2。その圧縮応力はP=σUAU。この力を引張り力として全断面(AU+AL=3AU)に作用させる。したがって、下側の鋼棒は始めて引張り応力が作用するので、その応力度は、σL=+630/3=210 。上側の鋼棒は、σU=−630+210=-420 (2)常温で継ぎ目の無いように敷設されたロングレールが20℃の温度上昇をしたときに応力を求めよ。線膨張係数は、α=1.2×10-5/℃、ヤング率はE=2.1×106 kgf/cm2とする。 (解:504 kgf/cm2) (3)外径D=30cm、長さ10m のコンクリート柱の中央にd=2cm の鋼棒を通し、柱の両端にネジを切り、座金を当ててボルトで締める。鋼棒を最初の長さから1.5cm詰める。コンクリート柱と鋼棒の応力度を求めよ(PSコンクリートのポストテンション工法の原理)。 (解:鋼材のヤング率を2.1×106 kgf/cm2、n=7とすると、σC=−14 kgf/cm2、σS=3055kgf/cm2) (4)断面積5cm2のピアノ線をσS=3000 kgf/cm2の張力で引引っ張っておき、その周囲を20cm×30 cmの矩形断面になるようにコンクリートを打つ。コンクリートに十分の強度が発現したところで部材端のピアノ線を切って柱を作る。コンクリートとピアノ線の応力度を求めよ。n=7とする(PSコンクリートのプレテンション工法の原理)。 (解:σC=−24kgf/cm2、σS=2835kgf/cm2) (5)図1.6の鉄骨コンクリートの断面を例題とする。コンクリートが乾燥収縮によって、ε=3×10-4の収縮歪みを生じるとして、コンクリートと鋼の応力度を求めよ。 (解:σC=32 kgf/cm2、σS=−222kgf/cm2 ) 科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」 |
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