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1. 引張材と圧縮材

1.3 偏心載荷を考える簡単な組み合わせ構造


1.3.1 偏心して作用する力を受ける構造

図1.7 空間直線の定義を示す見取り図
 単独に考える真っ直ぐな引張材・圧縮材の力学モデルは、細い棒です。実際の部材は或る断面積がありますが、断面の重心を通る軸を直線材とする力学モデルで図示します。或る断面形状をした部材は、細い棒状の部材を束ねたと考えます。この扱いは、第4章で説明します。ここでは、数個のバネの集合で構成するモデルを解説します。まず、水平な台に等間隔に並べたバネで、曲げ剛性の大きな梁を支え、その梁の上から荷重を載せる力学モデルを説明します。このモデルは、バネ支承の本数が多くなっても簡単に解析できて、種々の場面で考えられています。バネが等分布している場合の例は、弾性的な地盤の上に建物の剛な基礎構造が載っているモデルとして扱います。矩形断面の圧縮材に軸力が偏心して作用するとき、最初に平面であった断面形が圧縮力を受けて変形しても、断面が平面を保つ平面保持の仮定を使います。橋梁工学では、並列した何本かの主桁を支間中央の分配横桁で繋ぐ格子構造を解析するとき、主桁の作用が横桁に対してバネ支承になる構造を考えるのもそうです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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