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1. 引張材と圧縮材 | |||||
1.1 単一部材の引張りと圧縮
演習例題 1.1
(1)長さ5m、断面積20cm2の鋼断面が30tfの引張力を受けているとして、応力・ひずみ、伸びを計算せよ。ただし、ヤング率は2.1×106
kgf/cm2とする。 | (解は1.1.6項参照) (2)直径d=16mmの鋼丸棒の引張り歪みがε=0.7×10-3のとき、応力度と引張り力を求めよ。 (解:σ=1470 kgf/cm2、P=2.95 tf) (3)幅3cm、暑さ0.8cmの鋼の薄板で引張強度の試験をしたい。鋼材はSS41である。引張試験機の秤量レンジには、5tf, 10tf, 20tfの何れが良いか?(備考:この鋼材種別の言い方は、保証破断強度が41kgf/mm2の材料を言います。2000年以降は、SI単位系を採用するようになって、SS400です。これは保証破断強度が400 N/mm2という意味です。秤量レンジは、50kN, 100kN, 200kNとなります。 (解:20tfのレンジが適当でしょう。なお、鋼材種別の知識は材料学の方です) (4)断面積一定の鋼の長い針金を、仮に鉛直に吊り下げたとき、針金の自重に耐える最大長さは幾らか? ただし、鋼の単位重量は7850kgf/m3、材料の降伏点は2300kgf/cm2とする。真っ直ぐに吊り下げたと仮定すると、伸びは幾らか? (解:最大長さ2930m、伸び160cm) (5)等断面でコンクリート製の塔柱を作るとして、最大可能高さは何メートルか? ただし、コンクリートの単位重量は2400 kgf/cm2、許容応力度を60 kgf/cm2で設計する。 (解250m) (解説:鉄筋コンクリートの建物は、柱や壁の断面積の、約10倍程度の床面積の空間を確保する必要があります。そのため、実用する建物高さは6階建て、25m程度が限度です。) (6)塔頂で500 tfの荷重を支えるコンクリート製の塔柱を設計したい。高さ方向のどの断面でも40 kgf/cm2の圧縮応力度(正符号で使います)になるように形を設計したい。高さ50mの塔の寸法を求めよ。断面形には、円断面と幅一定の矩形断面を比較せよ。材料の単位重量は2500kgf/m3とする。 図1.1 例解:微分方程式を立てて、それを解きます。高さ方向(下向きを正として)の変数をy、断面積をA、単位重量をρと置くと、 面積の解はyの一次式です。 塔頂での断面積A0は、(単位系をmにする) 高さ1m増すごとに断面積はΔA増やす; 高さが50m必要であっても底面積は約1.6m2であって、ピラミッドのようにしなくてよい。 (7)幾つかの常識問題 ・鋼のヤング率は?(1.1.6項の例題解説の中に説明なしで使っています) ・コンクリートのヤング率は?(鋼のヤング率との比n=ES/EC≒7〜10で考えます) ・鋼材の単位重量は?(問題4の中にあります) (解説:単位重量とは、工学的な風袋重量です。物理学的な密度、比重と区別して使います) ・鋼材SS41の保証破断強度は? また降伏点はどの程度か?(問題3の中にあります) (解説:軟鋼では、保証破断強度/降伏点は約3 / 2です。高張力鋼材は降伏点が高い鋼材です) ・コンクリートの圧縮強さは?(円柱供試体の圧縮強度で150〜400kgf/cm2程度です) ・土木構造物の安全率の標準は幾つか?破壊や崩壊に対して3、降伏に対して2です) 科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」
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