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1. 引張材と圧縮材

1.1 単一部材の引張りと圧縮


1.1.1 応力と歪みの定義から始めます

 材料を、断面一定で細長い真っ直ぐな棒状の部材に加工して、引張力または圧縮力を持たせることは、構造要素として最も基本的な使い方です。木材や石材は、圧縮材の柱として身近に見られます。引張を受ける使い方のときは、両端をどうやって繋ぐかの技術的な難題があります。実用的な引張り材は、日常的には断面積の小さな針金を使い、それを束ねた形で使います。したがって、断面積の大きい真っ直ぐな引張り材は、トラス構造に組み上げる部材以外に実例を見ることは多くありません。材料力学は、力と変形とを数学的に扱います。記号の使い方は、常識的な約束があります。例えば、部材の軸力(通常、圧縮は負の数を当てます)、断面積、断面の応力度σ、部材の長さと伸縮量を歪み(ひずみ)にεなどと使います。応力度と歪み(ストレイン、strain)の定義式は;
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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