目次ページ  前ページ  次ページ

5. 演算の約束も言葉で表す

5.2 数式を読み上げて相手に伝える


5.2.3 算盤の読み上げ算

 最も原初的な数値計算、それも足し算の連続は、そろばんの「読み上げ算」のように、言葉に出して伝えます。電卓を使うときも同じですが、歴史のあるそろばんで説明します。読み上げ算は、読み上げる人と、そろばんを使う人とのコミュニケーションで実行されます。標準的な言い方は「御破算で願いましては」で始めます。このとき、桁並びをクリアします。計算は、主に整数の足し算の連続で進め、最後に「…では」で止めて結果を書き出します。紙に書いた数値を見ながら操作をする「見取り算」もしますが、耳で聞いて操作をすれば、眼移りをしない分、玉を動かすことに集中できます。また、複数の人が同じ計算をすると、答えの読み合わせをして、結果の正確さを確認することができます。同じ計算を一人で進めるときは、検算で同じ計算を2度することになりますし、結果が同じでなければ、さらに検算しなければなりませんので、時間が余分に掛ります。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

前ページ  次ページ