目次ページ  前ページ  次ページ

4. 論理演算の約束を覚える

4.1 コンピュータでは論理演算が使える


4.1.3 論理用語と論理記号

 算術は加減乗除の4通りの演算規則があります。二つの論理変数間の論理演算を扱うとき、その組み合わせをすべて数え上げると16通りもあります(図4.1参照)。個別に演算名を当てることもしますが、基本とするのは4通りに絞ります。表4.1の計算機言語で言うと、「OR,XOR,AND,IMP」です。一つの論理変数に適用する演算に否定(NOT)があります。これは、数の計算の符合変換に相当する、と考えることができます。否定の演算は、論理値の0を1に、1を0に変換します。他の演算則に名前を当てることもしますが、上の五つの演算子を組み合わせれば同じ演算ができます。ORとANDは、算術の和と積の演算と性質が似ていることから、「論理和、論理積」の用語が実用されています。日常見る作文の中で眼にする「または」と「と」の使い方に似ています。「PまたはQ」の言い回しは、「PまたはQ,または、その両方」の意義で使います。XORは、「PかQかどちらか」に限定する意義ですので、排他的選言の専門用語があります。IMP(内含)は、用語も特殊ですし、演算の約束も難しく、また、引き算や割り算と同じように、交換律がありません。EQVは、イコール記号「=」で代用できますが、場面しだいで異なった解釈が起きます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2015」

前ページ  次ページ